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『ANTIQUE ROOM 702』インタビュー

interview : toru hachiga

『ANTIQUE ROOM 702』 エントランス

 

 

2014年7月大阪浪速区稲荷にオープンした『ANTIQUE ROOM 702』。昭和20年代に建築された元鉄工所跡地をリノベーションしたスペースは、1階がアンディークショップとカフェ、2階がギャラリーになっており、オープン以来クリエイティブな人々が集う独創的な発信地として注目されている。

 

12月6日から12月28日(日)まで、2階のギャラリー『GALLERY DE ROOM 702』ではWATARU KOMACHIによるX’MAS SPECIAL EXHIBITIONが開催され、また同時にWATARU KOMACHI (アーティスト)、HIROYUKI MATSUNAKA(インテリアデザイナー)、MIKI (ANTIQUE ROOM 702店主)によるヴィンテージクローズ&ファニチャーをリメイドする1点物のプロジェクトブランド『NUMERO14(ヌメロキャトルズ)』もスタートしたばかり。

 

ここでは『ANTIQUE ROOM 702』について、そして『NUMERO 14』という新プロジェクトについて、メンバーであるMIKI 、松中博之、WATARU KOMACHIの3人にインタビューに答えてもらった。

 

 

 

 

 

 

『ANTIQUE ROOM 702』とはどのようなコンセプトで、どのようなスペースなのでしょうか?

 

MIKI
「クラシックがもつ毒」をコンセプトにフランス、ベルギーの18世紀、19世紀のアンティークと作家モノとオリジナル商品を販売しているショップです。空間全体は、モードな世界感と、私が最も影響をうけたチェコのアニメ作家ヤン・シュヴァンクマイエルからインスピレーションしてデザインしました。建物は昭和20年代に建築された元鉄工所跡地で、1Fはアンティークショップとカフェ、2Fはギャラリーを併設した空間になっています。2Fのアートギャラリーでは独自のテーマに基づいた企画展を月に一回のペースで行っています。

 

 

 

『ANTIQUE ROOM 702』をはじめようとしたきっかけを教えてください。

 

MIKI
私は、学生時代から博物館の原型ともいえるキャビネット・オブ・キュリオシティのカルチャーや王侯貴族階級に興味があり、残存物にこそ宿る独特なの美しさから沢山のインスピレーションを得て骨董屋や画廊へ通って大人になりました。お店を持ちたいと思ったのはパリにある1800年代創業のDeyrolleという剥製ショップに初めて行った時に、自分も将来こんなお店を持ちたいと思ったのがきっかけです。

 

MATSUNAKA
私は学生時代から、ヴィンテージを海外に買い付けに行ってフリーマーケットに出店していたのですが、趣味が高じて世界各国のアンティークを収集し過ぎて、大阪南堀江の事務所の隣で小さなお店をはじめたのが最初です。L’ECAIREURの設計のお仕事を頂いた時にオーナー・アルマン氏にフランスのアンティーク事情をいろいろと教えて頂いたのもきっかけのひとつです。

 

 

 

『ANTIQUE ROOM 702』では販売、展示だけではなく、ワークショップなども積極的におこなっていますが、それはどうしてでしょうか?

 

MIKI
私は設計士というモノ作りの仕事をしているため、『ANTIQUE ROOM 702』のアンティークと現代のモノをミックスした新しい作品に興味があって、それに共感して頂ける人と一緒に創ることが楽しく、お互い新しい発見が出来る場だと考えているからです。

 

 

 

MATSUNAKAさんはこれまでどのような活動をしてきたのでしょうか?

 

MATSUNAKA
商業空間デザインを主としており、大阪を拠点に日本国内にとどまらず国外でインテリアデザインを行っています。業種やジャンルにとらわれず、様々な条件、時代背景、を踏まえた上でオリジナリティなどを加え新しい空間を提案しています。主な仕事としては、『青山velours』、『le baron de paris』、『L’ECAIREUR』、『giulianoFujiwara(ミラノ)』、『香港HALO』、『関空KIX lounge』 などです。新しく造られる空間にアンティークをミックスしたり、アーティストのコラボレーションなども加える事により、より斬新なハコが生まれたりします。

 

 

 

新しくスタートしたプロジェクト『NUMERO14』について教えて下さい。

 

KOMACHI
職種の異なるジャンル3組のクリエイター(KOMACHI/MATSUNAKA/MIKI)を中心としたヴィンテージクローズ&ファニチャーをリメイドするプロジェクトです。

 

 

 

KOMACHIさんがMATUNAKA(インテリアデザイナー)さんとMIKI (ANTIQUE ROOM 702 店主)さんと一緒にやろうと思ったのはなぜですか?

 

KOMACHI
私の作品はヴィンテージファニチャを素材にした作品が多いのですが、『ANTIQUE ROOM 702』のセレクションにクリエイティブマインドをとても刺激されたのがきっかけです。

 

 

 

『NUMERO14』では、今後具体的にどのような活動をしているのでしょうか?

 

KOMACHI
今回は松中とMIKIがヨーロッパでセレクトしたヴィンテージクローズや絵画等を素材にしてリメイド作品を制作しましたが、今後はクリエイティブディレクターとしての私の側面も広げて、ジャンルに拘らず外部からのアーティストやデザイナー等ともコラボレーションをしていく予定です。

 

MIKI
コンテナ移動式空間を作って、『NUMERO14』のポップアップショップもやりたいですね。

 

 

 

『ANTIQUE ROOM 702』の今後の展開予定を教えてください。これからどのようなことをやっていく予定でしょうか?また将来どのようなスペースにしたいですか?

 

MATSUNAKA
これからも、私たちならではの独自の感覚で、セレクトを継続し続けることが意味あるものだと思っています。

 

MIKI
私は標本ショップと博物館,遊園地や公園。遊具のデザインや公園の環境デザインがしたいです。ファンタジーで、遊ぶのが楽しくて愉快な公園なんですが、夕方にひとりで遊ぶのは何故かちょっと怖くなり自発的に帰らざるおえないそんな娯楽環境を造りたいです(笑)。店舗を拡大する訳ではなく、この世界感をデザインのツールを使い面白い事をやっていきたいです。

 

 

 

現在は大阪にショップ・ギャラリーがありますが、他の都市のギャラリーやショップとの(日本、海外含め)との違いはあると思いますか?

 

MATSUNAKA
『ANTIQUE ROOM 702』は、鉄工所跡地の倉庫のダイナミックな空間を出来る限りそのままにして、他には無い空気感を漂わせたオリジナリティあるハコです。ですので、これからも単なるアンティークショップやギャラリーにとどまらず、今までにない新しいカルチャー発信の場にしていくことができるでしょうし、ショップやギャラリーにはない個性を感じてもらえる空間だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

『ANTIQUE ROOM 702』
〒556-0023 大阪府大阪市浪速区稲荷2-7-18
tel:06-6561-3702 fax:06-6563-9289
OPEN12:00-19:00
定休:火曜日•水曜日
http://www.dr702.com/shop.html

 

 

 

 

 

 

MIKI
ANTIQUE ROOM 702店主•古物商•画廊主
http://www.dr702.com/shop.html

 

 

松中博之(HIROYUKI MATSUNAKA)
インテリアデザイナー
design room 702代表。国内外を問わずバリエーションに富む空間を数多く手掛ける。
http://www.dr702.com/

 

 

WATARU KOMACHI
東京生まれ アーティスト
デニス・ホッパーとの出会いがきっかけでARTの世界へ。以降PARIS(クリストフ・ルメール)とのコラ ボレーション、PARIS(Colette)での展示、(BECK)ヨーロッパツアーT-SHIRTSデザイン、(松屋銀座)とのコラボレーション等、高感度な場所にて作品を発表。近年には(アルフレッド・ダンヒル)とのアートプロジェクトを成功させる。ART/FASHION/PRODUCTとクロスオー バーなスタイルの活動で世界を広げている。http://www.watarukomachi.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

December 10,2014

『ANTIQUE ROOM 702』 店内風景

『ANTIQUE ROOM 702』 店内カフェ

WATARU KOMACHI「X'MAS SPECIAL EXHIBITION」 ポスター

『NUMERO14』

左からHIRYUKI MATSUNAKA、WATARU KOMACHI、MIKI