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“CIY” ショップオーナー・小山兼輝インタビュー

text : Kennko Matsudaira

 

 

地方都市、岩手県盛岡市に店を構えているセレクトショップ”CIY”。店内には洋服、写真集、CDがほぼ同じ比率で構成されている。ぱっと見ると、ここは服屋なのか本屋なのか判断がつきにくいような、絶妙なバランスの感覚でセレクトされている商品。ショップについて、そして地方都市に拠点を置いている理由についてショップオーナーである小山兼輝に話を聞いた。

 

■出身やプロフィールを教えて下さい。

東京出身でモード学園を卒業した後、ファッションの仕事には就かずに自転車に乗ってメッセンジャーをやっていました。その後デザイン事務所で働いたり、10年前には斬新だったバンクシーとのコラボ商品を展開していたAndAに入りたくて入社したのですが、そこではバンクシーのコラボ商品を扱っていない店舗に配属になってしまって、イメージのブレみたいなものがあって、結局そこは辞めて、次にJOUNAL  STANDARDのCafeで働いていました。ファッションにどっぷり浸かっているというよりは、常にアートやカルチャー、ファッションが近くにある環境で仕事をしていました。
10代の頃からお店をやりたいと思っていて、きっかけは中学の頃に通っていたスケートショップです。スケートボードは板さえ持っていれば年齢など関係なくすぐに仲間に入れてもらえる。そんなフランクなカルチャーがあっていつしか身近だったスケートショップのお兄さんたちが目標になりました。

 

■なぜ地方都市、盛岡にショップを構えているのですか?オープンしたきっかけ、コンセプトを教えて下さい。

ショップのコンセプトとしてはファッション、アート、音楽、すべてのカルチャーをリンクさせています。例えば、写真集であってもファッションの写真を撮っているフォトグラファーの作品集だったり、インディペンデントレーベルのCDジャケットをデザイナーが創っているなど別々の物なんだけどリンクしている物をコンセプトにセレクトしています。よくお客様に何屋なのかわからないと言われるんですが、それも狙っていてショップ名の”CIY”というのは「The Choice Is Yours」の略で「あなたの好きにしていいよ」という意味です。服屋でも本屋でもCDショップでもあり、その3つのカルチャーを相互的に繋いでいるのがうちの特徴です。
昔、オーストラリアに住んでいたことがあったり、引越や転居などに変なプレッシャーがなかったのと、東京や大阪ではなく、地方でショップをやりたいとずっと思っていたので、たまたま旅行にきた盛岡市が住みやすそうで、とても気に入ったので、盛岡を拠点にしようと思いました。東京では個人の資金力はないし、ただ売り上げをあげていくために、自分のあまり興味がないものであってもマーケティングを意識してやらざるを得ない。だったら盛岡で自分のスタイル、新しいタイプのセレクトショップをやろうと思って4年前にオープンしました。

 

■地方と東京の差はありますか。あったとしたら具体的に教えて下さい。

ありますね。インターネットが普及している現代は地方にいても誰もが知識を持っています。でも、実際のプロダクトは揃っていないし、カテゴリーは偏っているんですね。東京にあるプロダクトが現実的には揃っていないし、ネットの写真で見ることはできても、現物を見ることはなかなかできない。ものが揃っていないからこそ、たんなる流行に乗るのではなく、逆に自分たちでカルチャーを発信したり、自分たちが良いと思うものを伝えることが出来ます。

 

■ショップをオープンしてから1番大事にしていることはなんですか?

お客様とも取引先とも仕事だけでなく、人として繋がることを強く意識しています。少ないコミュニケーションで人と交われるように人との付き合いを大事にしていますね。

 

■お店の名前が変わってしまったそうですが、何があったのですか?

以前、繊研新聞に紹介してもらったことがあったのですが、その記事を某大手会社の方が見て、名前が類似しているため変更してほしいという書類が届いたんですよね。店名は店舗が入っているビル名からとっただけだったのですが、名前を残すためにお金や労力をかけて争うのではなく、お客様のためにやっているのだからそのお金を仕入れに回していこうと思い店名の変更を決意しました。でもそんなに精神的に落ち込んだりとかはなくて、そこを相手に争うことより、より良いショップを作りたかったので店名の問題はそんなに大きなことではありませんでした。

 

■あなたにとってファッションとは何でしょうか?

なんていうか日本は流行に敏感すぎてブランドのネームバリューがステータスになってしまっている。海外のスナップを見ていると、なんてことない服でもかっこ良く見える。「かっこいいと思う服=自分に似合う」とは限らないと思うんです。海外の人たちは自分に合うものがわかっている。すなわち自分をわかっているということが日本人との差なのかなと。

 

■今後の展開など教えて下さい。

地方でやる上でインターネットというメディアはポジティブに捉えていきたいと思っています。現在、インターネットのおかげで国内外問わず色々な情報を手に入れることができますし、また発信も可能になりました。それを駆使し埋もれているインディペンデントなブランドやアーティストを発掘しここから発信していければと思っています。既存の東京を介したものではなく地方から新たな流通を作っていけたら面白いですよね。この店で新たな道を開拓することで地方の可能性が広がってくれればあとに続く若い世代もチャレンジしやすくなるんじゃないかと思ってやってます。自分がそうであったようにこの店の存在が若い世代の憧れや誇りになれるようにこれからも精進していきたいです。

 

 

 

“CIY”shop
住所:〒020-0024 岩手県盛岡市菜園1-8-20 ブロックアパルトメント 2F
電話番号:019-681-3899
営業時間:12:00~19:00
定休日: 水曜日
http://www.choiceisyours.net/

 

 

August 26,2014