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TOKYO CULTUART by BEAMS ディレクター、永井秀二インタビュー

interview : toru hachiga

5月末発売予定『In The City』Vol. 10 表紙  Spring Issue ‘Sneaker Blues’

 

2010年10月創刊された新感覚の文芸カルチャー誌『In The City』の最新号(10号)が5月28日に発売される。毎号エイドリアン・トミネによる表紙や、オリジナリティあるコンテンツには根強いファンも多い。プロデューサーである永井秀二に『In The City』について、そしてTOKYO CULTUART by BEAMSについての話を聞いた。

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■最初に、なぜ文芸カルチャー誌を発行しようと思ったのでしょうか?『In The City』をはじめたきっかけ、コンセプトを教えてください。

『In The City』をはじめたきっかけは、BEAMSは創業以来モノを通して文化をつくる“カルチャーショップ”を目指してきました、それはファッションをメインに、インテリア、音楽、アートといった領域にも着手してきたのですが、言葉による表現、文字による芸術も、文化としては重要な存在ではないか?と考えたからです。そこでBEAMSが雑誌を作るのであれば、ファッション誌や情報誌ではなく、ウェブで代用できないものと考え、“文芸カルチャー誌”というスタイルにすることにしました。

コンセプトは「書を街に連れ出そう!」です。カフェで読んでも電車の中で読んでもカッコいい、お尻のポケットに入れて持ち歩いてもカッコいいモノを目指しています。内容も、大御所の方と無名の新人が共存する、また、単なる読み物だけではなく、他の文芸誌よりもイラストや写真などを多く使って、いままで文芸誌を読んだことのない人にも気軽に読んでもらいたい、そんな文芸カルチャー誌にしたいと思っています。

 

■最新号の内容について教えてください。最新号で永井さんのおすすめコンテンツはなんでしょうか?

最新号のテーマは「スニーカー・ブルース」です。明るい陽のもと、スニーカーで街に出かけるようなイシューです。おすすめは、日本イラストレーション界をリードする永井博さんのロングインタヴューですね、永井さんのイラストがジャケットに使用された大瀧詠一のアルバム『ア・ロング・バケーション』の制作秘話や作品も多数収録しています。70年代、80年代のカルチャーシーンも垣間見れて一気に読み進められる内容です。
その他、読み切りの短編は5篇で、片岡義男さん、川﨑大助さん、大竹昭子さん、菅原敏さん、しまおまほさんにお願いしました。フィーチャー・エッセイは「スニーカーと文学と街」についての2選、作家は大原ケイさん、仲俣暁生さんです。毎号好評の連載エッセイは小西康陽さん、高木完さん、中原昌也さん、青野賢一さんとおなじみのラインナップです。

 

■創刊号から表紙を、エイドリアン・トミネにイラストを依頼したのはなぜでしょうか?

『In The City』の堀口編集長の友人ということもあり、また僕自身、以前知人から借りた「Optic Nerve」という彼のシリーズを読んだとき、エイドリアン・トミネほど都会の何気ない日常を、知的でユーモアを持って描ける作家はなかなかいないな、と思っていました。「THE NEW YORKER」の表紙をはじめ、彼が表紙や挿絵を描いている書籍はどれも都会を感じさせる雰囲気なんですね、なので『In The City』も彼の感性にあやかろうと(笑)

 

■永井さん個人として、エイドリアントミネのイラストの感想をお願いします。

『In The City』は次号で10号になるのですが、毎度のことエイドリアンから送られて来る表紙のイラストがものすごく楽しみなんです。例えば創刊号の表紙はタイトルが「Summer Rain」だったのですが、地下鉄を降りたら夕立で雨宿りしている人々を描いています。蒸し暑いので扇子持っている女性、チャンスとばかりゲームを始める子供、汗を拭いている男性(たぶん作者本人)、4号のタイトルは「Favorite Shirts」なんですが、コインランドリーの洗濯機の中から、洗われているシャツ目線で恋人を眺めているんです、こんな目線普通考えないじゃないですか、ここにも左端に本人が描かれているんですが(笑)、8号の表紙はスマホで料理の写真を撮っている彼氏に飽きれている彼女とか、NYも東京と一緒なんだな、と。このときのタイトルは「Bon Appetit!」だったんですけど、こんな感じで毎号、毎号たぶん本人もニヤケながら描いているんだろうなと思うんです。

 

■次号で10号になりますが、これまで9号出してきて反響はどうでしょうか?

関わっているスタッフが少人数で、尚かつ別の業務もこなしているためなかなか営業が出来ず、未だに全国の書店に行き渡っているわけではないのですが、地方の個人でやられている個性的な本屋さんやレコードショップ等から、取り扱い希望の問い合わせが多いのが嬉しいです。

 

■TOKYO CULTUART by BEAMSの今後の展開等について教えてください。これからどういったことに力をいれていきますか?

原宿の店舗では日本人作家、クリエイターの発表の場としての役割も継続しますが、今後は今迄以上にリアルな場として、ライブ感のあるトークショーやミニライブ、ワークショップ等の人が集まれるイベントにも力を入れて行きたいと考えています。今やモノの多くはオンラインで買えますが、リアルな場でしか得ることのできない経験や体験を、できるだけ多くの人に感じてもらいたいと思っています。

 

■永井さんが注目している東京アートカルチャーシーンはありますか?

アートもカルチャーもかなり細分化されて広範囲に広がっているので、なかなかココのコレ!というものは無いのですが、場所でいったらやはり原宿ではないでしょうか。ハイからファストまでのファッションはもちろん、食や“カワイイ”がゴチャ混ぜになっていて、週末とか一日原宿にいればいろんな経験が出来ると思います。これから先、何か新しいことが産まれるポテンシャルを原宿という街は持っていると思います。

 

■その他ニュース、近況等があれば教えてください。

5月末に『In The City』10号「Sneaker Blues」が発売になります。amazonでもお買い求め頂けますので、ぜひよろしくお願いいたします。
また、BEAMSのアート、カルチャー関連を紹介するサイトがリニューアルしますので、こちらもお時間のあるとき是非覗いてみてください。http://www.beams.co.jp/beams-arts/
そして原宿にお越しの際はトーキョー カルチャートbyビームスにお立ち寄り下さい。

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『In The City』
Vol. 10  Spring Issue  ‘Sneaker Blues’
インザシティ第十集・春号 「スニーカー・ブルース」
2014年5月28日発売予定

ISBN 978-4-86113-886-7
C0095  ¥1000E

定価:本体1,000円(税込1,080円)
洋書ペーパーバック・サイズ(H180mm X W110mm)
ページ数:328P
発行:株式会社ビームス
発売:サンクチュアリ出版

 

巻頭特集:永井博 インタヴュー
「俺は偽物なんだよ」
80年代より日本イラストレーション界をリードする巨匠、永井博さんロング・インタヴュー!
永井さんのイラストがジャケットに使用された大瀧詠一のアルバム『ア・ロング・バケーション』驚愕の秘話も収録! なんと、同作のコンセプトは「永井博さんのイラスト」から生まれていた?!……などなど、「ここだけ」のお話多数。アートも増ページで多数収録。あのブルーの空のグラデーション、パームツリー、波とプール……夏を先取りだ!

短篇五作:「スニーカー・ブルース」
菅原 敏「人間が移動できる距離について考える日曜日」
しまおまほ「環七通りで」
大竹昭子「ユリオ」
片岡義男「フォカッチャは夕暮れに焼ける」
川﨑大助「微笑みの法則」

フィーチャー・エッセイ:「スニーカーと文学と街」についてのエッセイ2選
大原ケイ「ハイヒールにはタフな街で、タフなハイヒールを」
仲俣暁生「長距離ランナーはホントに『孤独』なのか?」

好評連載:
高木完「ロックとロールのあいだには、、、」ゲスト:勅使河原季里
日本ヒップホップ・シーン、カルチャー・シーンの風雲児・高木完が熱筆

連載エッセイ
片岡義男「ドーナツを聴く」
小西康陽「レナード・コーエンの偽日記。」
青野賢一「転がるエロス」
中原昌也「それでも何となく映画は観てる」
川﨑大助「スタイルなのかカウンシル」

 

問い合わせ:
株式会社ビームス 開発本部 トーキョーカルチャート企画室
〒150-0001  東京都渋谷区神宮前 3-24-7  3F
TEL.  03-3470-3251   FAX.  03-3401-2290
Email.  inthecity@beams.co.jp

サンクチュアリ出版
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-38-1
TEL03-5775-5192 FAX03-5775-5193

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永井秀二
TOKYO CULTUART by BEAMS ディレクター
ビームス創造研究所 クリエイティブディレクター

ビームスの外商部門「ユニフォームサーカスビームス」にて企業ユニフォーム、セールスプロモーション用グッズのデザイン、企画開発等を経て、2000年、日本初のTシャツ専門レーベル「BEAMS T」を立上げる。BEAMS Tではバイイングをメインに、オンラインショップのディレクション、エキシビションのプロデュース等をおこなう。2008年、アート、デザイン、カルチャー等TOKYOクリエイションを世界に発信するTOKYO CULTUART by BEAMS(トーキョー カルチャート by ビームス)を立上げ、企画展のキュレーション他、新感覚文芸誌「IN THE CITY」、発行部数限定の作品集「BARTS」、フリーペーパー「ART FOR ALL」等のプロデュースをおこなう。

 

 

 

 

 

 

 

May 14,2014

『In The City』Vol. 10 中ページ

『In The City』Vol. 10 中ページ

『In The City』Vol. 10 中ページ

『In The City』1号から9号までの表紙 イラストは全てエイドリアン・トミネ

永井秀二   photo : グレート・ザ・歌舞伎町