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21_21 DESIGN SIGHT「デザインあ展」イベントレポート

text & photo : Misaki Nagasaka

『デザインあ展』

 

 

 

2013年2月8日から東京ミッドタウン内にある21_21 DESIGN SIGHTにて開催されている「デザインあ展」。作品たちを体験すると日常の景色がガラリと変わってしまう、本展についてレポートする。

 

「デザインあ」の『あ』のリズムは、感嘆符の『あ』。21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「デザインあ展」は、家庭や学校、お店など日常生活のなかにあふれている「モノのデザイン」について、発見したり驚いたりわたしたちのモノへの見方が変わる展覧会である。

2011年4月より放送が開始された『デザインあ』は、グラフィックデザイナー・佐藤卓氏、ミュージシャン・小山田圭吾氏(コーネリアス)、インターフェイスデザイナー・中村勇吾氏の3名を中心に制作されているNHK Eテレのテレビ教育番組である。それを、映像やインスタレーション、ワークショップなどに発展させたかたちで実現したのが「デザインあ展」。子どものデザインマインドを育むことをコンセプトに掲げ、生活の身の回りにあるモノについて「なぜこのかたちをしているのか」「なぜこれが必要なのか」と問題提起し、観察・思索・知恵・行動のプロセスを通して丁寧に解説している。

入場して階段を降りたところに出現する最初のアトラクション、『動く「あ」』。壁面から3mくらい離れたところに立つと「あ」の文字が出てきて、人々の動きに合わせて「あ」も反応して動く。大人から子どもまで大小さまざまな「あ」が動きだし、インタラクティブタイポグラフィを楽しんだ。その反対側には、『みんなの「あ」』が展示され。会場に設置されている作業机で来場者が書いた「あ」を投稿すると、展覧会参加作家が審査員となり、「おもしろい!」と選ばれた作品が順次会場で展示される。特別におもしろいと評価された作品は21_21 DESIGN SIGHTのWebサイトや4〜5月の「デザインあ」の番組で紹介予定。

salyu × salyuの歌声が別室にいても聴こえてくる『モノ・オトと映像の部屋』。番組で流れている「カラーマジック」「まるとしかく」「『あ』のテーマ」「デザイン かぞえうた」が、360度のプロジェクションマッピングで展覧会用に拡張されたもの。中央の丸いテーブルには地球儀やオセロ、イスやサッカーボールなどが置かれ、歌詞に合わせて、○や□などモノの属性にスポットがあたるようになっている。salyu × salyuや嶺川貴子らの伸びやかな声にも注目。

次のスペースは、奥の壁面右側から「お寿司」「本」「器」「お金」「学校」のビジュアルが並んでいる『5つのテーマ』。この作品をディレクションした佐藤氏は「お寿司は食べる、本はメディア、器はプロダクト、お金は経済、学校は組織。この5つのテーマに合わせて各テーブル毎に展示がされています。手前から1列目は、岡崎智弘さんがやっている”解散”。2列目は”多様性”。3列目は”掘り下げる”です。そして一番奥の壁面のビジュアルの近くが、子どもたちが参加して遊べるテーブルになっていて、一つのテーマをそれぞれの列で掘り下げる。基本的にはそういう考えで構成されています」と語った。
『デッサンあ』では、円形の中央部にペンギンの像があり、それを囲むようにiPadが置かれ、それぞれの角度から見えるペンギンの絵を描いて投稿すると壁面のスクリーンに映し出される。ペンギンの絵を上手に描く人もいれば、ひらがなで「ぺんぎん」と書く人、子どもらしい可愛い絵など個性豊かな作品に仕上がっていた。

「解散!」「思ってたんだけどちがう」「ない世界」。何が解散して、何が思っていたのと違って、何がない世界なのか。これらはすべて「デザイン」の分解や再構築に関するモノの見方であり、教育テレビ番組『デザインあ』のコーナー名である。分解、展開、再構築と言われると難しそうだが、子ども向けに放映されていて非常に分かりやすく、大人にも楽しめる内容になっている。大人と子どもに「見る」ことへの違いはあるのだろうか。知識や経験から見方が変わるという意味では違いがあると思うが、日常のデザインの面白さに気づいていない大人が多数を占める現実としては、むしろ子どもの方が素直にデザインに接しているのかもしれない。 それぞれのデザインマインドにはあまり差がなく、大人だからこそ、子どもの繊細な感受性には劣る。 目の前に存在しているモノが当たり前になっていて、視界に入らずに景色の残像として流れ、記憶にとどまらない日々。しかし、物事の面白さに気づくのは幾つになってからでも遅くはない。今日気づくことが、明日からの世界を変える。

展示を観ながら写真を撮り、ハッシュタグ#design_ahをつけてTwitterやInstagramへ投稿すると「デザインあ展」スペシャルサイトに写真が掲載される。あなたの目には「デザインあ展」がどのように見えるだろうか。さっそくユニークな写真がたくさん掲載され、子どもも大人もみんな楽しそう。すでに2回、観に行ってしまった。何度も体験したくなる「デザインあ展」は6月2日まで。

http://www.2121designsight.jp/
「デザインあ展」特別サイト
http://design-ah.net/

 

 

<展覧会概要>
21_21 DESIGN SIGHT企画展「デザインあ展」
会期:2013年2月8日(金)〜6月2日(日)
休館日:火曜日(4月30日は開館)
開館時間:11:00〜20:00(入場は19:30まで)
※3月23日(土)は、六本木アートナイト開催に合わせて24:00まで開館延長
(最終入場は23:30)
入場料:一般 1,000円 大学生 800円 中高生 500円 小学生以下無料
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)
東京都港区赤坂9-7-6
展覧会ディレクター:佐藤 卓、中村勇吾、小山田圭吾
参加作家:阿部洋介(tha ltd.)/岡崎智弘、緒方壽人(takram design engineering)/折形デザイン研究所/studio note/Perfektron/plaplax/山田悦子(むす美)他

WEB:http://www.2121designsight.jp/

 

 

<関連プログラム>
スペシャルライブ “salyu × salyu × デザインあ展”
日程:2013年3月2日(土)18:00〜19:00
出演:salyu × salyu、小山田圭吾
参加費:無料(ただし、当日の入場券が必要)
参加方法:観覧エリアでの参加は整理券が必要
会場:21_21 DESIGN SIGHT

 

ワークショップ
・デッサンあ ワークショップ
日程:2013年3月9日(日)
・解散 ワークショップ
日程:2013年3月31日(日)11:00〜
出演:岡崎智弘
・音楽のワークショップ テーマ:”「あ」のおんがく”
日程:2013年5月4日(土)
出演:宮内優里(音楽家)
・tonton workshop テーマ:”音をぬすむ”
日程:2013年5月25日(土)
出演:蓮沼執太(音楽家)、管 俊一(研究者/映像作家)
※ワークショップの詳細は21_21 DESIGN SIGHTのサイトにてご確認ください。

 

 

 

February 26,2013

『モノ・オトと映像の部屋』カラー・モノ・オト・映像で満たされたこの部屋で、来場者のボルテージがさらに上がる

『5つのテーマ』(右から)「お寿司」「本」「器」「お金」「学校」のテーマごとにデザインを観察する。

『ペンギン物語』佐藤氏がパッケージデザインをした「ロッテ キシリトールガム」。将来のお店のディスプレイはこんな未来かも。

『音めがね』真っ白なディスプレイを「音めがね」でのぞくと。音と映像の不思議な作品。

『「あ」ら!』欠けている「あ」の一画になって、「あ」を完成させよう!