アートイベント「オールピスト東京2016」開催!
text: asako tsurusaki

オールピスト東京2016
パリのポンピドゥーセンターが2006年より毎年冬に開催しているアートイベント『HORS PISTES』の東京エディション、「オールピスト東京」の2016年が、いよいよ9月16日より始まる。2016年のテーマは、「COMMOTION:コモーション~ざわめきの彼方に」。今まで見たことがないものや体験したことがないことと出会ったときにわきおこるざわめき、そして思いがけない出会いから、日常の感覚を揺さぶり、私たちをかつてない世界へと突き動かしていくアートの魅力をあらわしている。
枠にとらわれず、自由に雪山を滑走するスキー競技「オールピスト」(フランス語で「道を外れる」の意)を題する当フェスティバルは、2010年より東京そしてアジアの新しい映像を紹介し、次世代の映像を共有するための新たな形を体験・議論する場として躍進を続けている。シアターでの上映はもちろん、シンポジウムやトーク、パフォーマンス、ワークショップ、パーティーなど多くのイベントを通し、作家と観客が一緒になって映像をあらゆる角度から楽しみ尽くす様々なプログラムが催されている。
クリスチャン・ボルタンスキー 初期フィルム作品の上映や、レトリスト運動最初の映画イジドール・イズー、またヨーゼフ・ボイス、ダグラス・デイヴィス、ナム・ジュン・パイクら3人による世界最初のサテライト・ヴィデオアート・イベントなど豪華なプログラムが揃うが、中でも興味深いのが「Zing Zing Asia」と題された、アジア各国からの最新映像作品の公募作品セレクションの上映。
昨年10月に来日したフィリピンの若手の奇才ティミー・ハーンの『Cyber Devil X Ahas』やソラヨス・プラパパンのロッテルダム映画祭で上映された新作『Fat Boy Never Slim』、また2013年に福岡アジア美術館で滞在制作をしていたインドの映像作家サミール・タウドの『Serpent of Life』、フィリピンの気鋭作家Rico Enticoの『Pabalik na sayo (Coming back to you) 』や、ロッテルダム国際映画祭や全州国際映画祭を始めとした世界中の映画祭で作品が上映されているJet Leycoの新作『Two Way Jesus』など、海外映画祭で評判になった作品から若い作家のものまで、現代アジアの才能あふれる映像表現を多角面から感じることができる。
開催期間は9月24日までの1週間。これまでに見たことのない映像空間に飛び込めるチャンスをお見逃しなく。
http://www.horspistestokyo.com
September 13,2016

Cyber Devil X Ahas / Timmy Harn / 2015 / 2’ / Philippines

Fat Boy Never Slim / Sorayos Prapapan / 2016 / 15’ / Thailand

Serpent of Life / Sameer Tawde / 2015 / 1’ 19 / India

『愚図の底』 In Inertia / 片山拓人 Takuto Katayama / 2016 / 7’ 30 / Japan

Two Way Jesus / Jet Leyco / 2016 / 12’ / Philippines