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「TTT_MSW」デザイナー玉田翔太インタビュー

interview & text : Hatsune Morikawa

THE-OTOGIBANASHIS-wears-TTT_MSW

 

ストリートとモードを愛する街、原宿。そこで人気を博す若者達から熱烈な支持を得るノージェンダーブランド「TTT_MSW」。デザイナーだけでなくストリート誌でのディレクションやアーティストへの衣装提供など、現在22歳にして活躍の場を広げている玉田翔太にブランドに対する思いや独自のファッション観について無邪気で時に鋭く語って頂いた。

 

 

 

 

■ブランド名の由来を教えてください。

3つ「T」があるんですけど、最初の1文字「ティー」だけ発音してあとの2文字は発音しないです。僕の名前の頭文字「T」とあとの2つの「T」は文字列で並んだ時に配置が良いのと、「T」が上下に重なった時に「+(プラス)」になるじゃないですか、それで、僕+人だったり場所だったり違う服だったり、シュチエーションによって変えられる提案をしていきたかったんで、僕の価値観+相手の価値観=何か、みたいになれば良いかなって。

 

■どうして自分の名前をブランド名にしたんですか?

ブランド名はそこまで深く考えてなかったかもしれないです。割と簡単なのが覚え易いかなって思って、日本のブランドでよくさYohji Yamamototoみたいに名前英語表記のとかあるやん。Yohji Yamamotoはカッコイイけど自分の名前Shota Tamadaだとゴロ悪いからさ、英語表記にしたとき良いのないかなって思っていました。それで語尾の「MSW」はモダンストリートウエアの略です。モダンストリートウエアを提案するTTT、サブネームみたいな感じです。

 

■ブランドを始めたタイミングについて教えてください。

僕、大阪出身なんですけど、高校の時に大阪で有名な古着屋さんの店長をしていた、今カメラマンの先輩に憧れていて、その人が先に東京に上京して、もう1回その人に会って学びたいなって思って、それで東京行きました。そしたら偶然、渋谷の道でその人に出会って「うちで何かやる?」って声かけて貰いました。そして18歳のときに、NYのコレクション写真を撮りにNYに行きました。期間的には3ヶ月と短かったけど、もっとリアルなところで生きて服を着ているんだなって感じて、そこから僕もリアルな洋服を作って、人々の生活の中に入れたらいいなと思いました。そして帰国したときに、知り合いのお店の人から「ラフォーレでポップアップショップあるから玉ちゃん出さない?」と声をかけてもらい、3年前の11月にスエットを2型だけ作りラフォーレに出品し、ブランドを立ち上げました。それが色んな人の目に止まって、メールだったりSNSだったりから凄い連絡がくるようになりました。あとは友達のSNSで有名な子たちが着てくれて宣伝してくれて、それで結構広まったかもしれないです。SNSの力が大きくて、海外からもリアクションあり、自分でモノ作りをはじめて凄い幅が広がりました。色んな人と会えるようになったし、自分で何かをしているって言うことは初対面の人でも自信持って話せるから、沢山広がれたかなって感じますね。

 

■ブランドコンセプトを教えてください。

着れない服って僕の中で無しで、普段の日常生活で素敵だなって思っても着れない服っていっぱいあるじゃないですか。そういうの、僕のライフスタイルには全く合ってないから、日常の中で普通に着れるモダンでストリートな洋服っていうのを提案しています。

 

■だからストリート系の服が多いのでしょうか?

僕自身は、高校生のときモード系の服しか着なかったんです。ラフ・シモンズとかリック・オウエンスとかギャルソンとか、めちゃめちゃハイブラ中毒みたいな。だから、ストリートの服は全然知らなかったし、モードが好きでそれしか知らなかったです。割と珍しいかもしれないですね、ストリートブランドなのにヒップホップカルチャーとかが先じゃない人。だから今、モードを吸収した人が作る新しいストリートの解釈をした服って面白いのかなって。

 

■ストリートとかに興味を持ち始めたのはどうしてですか?

それは友達がきっかけです。刺激があって、一緒に遊んでいて面白いのは、THE OTOGIBANASHI’SっていうRAPグループ。そいつらと遊んでいると、色んなヒップホップ系の人と会えて、ヒップホップカルチャーとかこういうのも面白いなと思う様になりましたね。そっから、ちょっとずつ、毎シーズン違う気持ちでやっているんですけど、今回はこういうストリートのテイストでいこうかなとその中でスポットを当てて、自分の培ったモードとストリートテイストをプラスさせて、0から1で作るよりか、あるものに対して自分の考えをプラスしていって服作りをしています。服好きの人だったら、縫製の仕方とか始末の仕方とかにと気づいて貰えたりできるよう、生地感、縫製にはこだわりがあって、パンツは全部、パイピングしていたり、結構見えないところにこだわっています。あとは、カッコつけ過ぎないことです。カッコ良過ぎるよりも遊び心のある面白いものを作るようにしています。キレキレなものは性に合わないですね。

 

■テキスタイルのこだわりを具体的に教えてください。

こだわりが強く出ているコレクションが、2015年のSSで、あれとか全部シルク100%の生地染めて、作った生地なんです。色味がなかなか出せなくて、サンプルを何回も作り直して、その生地を使用して、もっとストリートで着れる簡単なパンツやシャツをハイクオリティな生地で作りたいな思って。あと同シーズンのグラフィック刺繍を施したトレーナーの髭の部分は山羊の毛を使っています。動物の毛で面白い毛を探していて、アザラシなどいっぱい毛を見ていて、山羊いいかも。きたな。って。若い山羊だと油分多すぎて染まりにくくて、アレはあえてお年寄りの山羊の毛を使って染易くしました。

 

■ネズミだったり、おじさんだったりグラフィック刺繍のイメージはどこからきていいるのですか?

わりとディズニーとか好きなんです。メルヘンというかファンシーな世界のもの。だから海外のアニメが結構見るんですよ。そういうので面白いものできたらなって思って、グラフィックアーティストのKOUくん(KOUSUKE SIMIZU)と一緒に考えて作りました。KOUくんもCOMME des GARCONS、STUSSYとかCHRISTIAN DADAなどを手掛けていて、信頼できたのでKOUくんに頼もうかなって。

 

■影響受けたアーティストを教えてください。

フセイン・チャラヤンは一番影響を受けたかもしれないですね。なんか僕元々、建築的で構築的な服が好きで、初めて見たときに、この人なんでもするな凄い。って思って、そこから写真集をすごい読み込んで、発想が広がっていきました。あとは、ラフ・シモンズも影響受けていますね。絵画とかを美術的な要素を最初に持ってきたところとか、メンズのファッションの価値観を変えたところは尊敬しています。

 

■だからTTTもノージェンダーに服作りをしているのですか?

それは少しばかりあるかも知れません。なんか僕自身も、あんまり男女の洋服に対しての差がなくて、一時期レディースを着ていた時もあってVivienne Westwood着たり、スカートとかヒール履いたり、とんでもない格好していたけど、それらを含め今考えれば、良い経験なったと思います。その中でこのアイテムっていう、レディースとメンズの差がない服が見えてきたんですよ、それをピックアップして出来たのをブランドとして出しています。将来的にはメンズとレディース分けて作ってコレクションするかもしれないんですけど、今は一緒でいいかなって。展示会着てくれる人も多分7:3くらいぐらいで女の子が多くて。あと、僕自身女の子の友達が多いんですよ。僕ゲイじゃないんですけど、女の子の方が話易いんですよ。女子がよく言うモノに対してすぐ可愛いって言う感覚に似てるというか、ファッション好きの男子がよく言う細かいディテールがどうこうとかは分かるんですけど、それよりもパッと見て可愛くて良い方が大事じゃないって思っていて、その中でメンズ目線の細かいところも入れてるんですけど、割りと女子感覚なのかも知れないですね。

 

■インスピレーション源は?

会った人とか行った場所とか、良いと思ったものは写真撮ってフォルダに貯めています。あとで見返して、あーこれ次のコレクションで使おうとか。撮っているものは本当普通で日常にあるものとかです。最近はFNOの帰りにたまたま寄ったキューババーみたいなところで、汚い緑みたいな壁にすげー安っぽい電飾と色んな柄でごちゃごちゃしてソファーとか、雑で安っぽいんだけどまとまり感あるもの良いなあって。だから隔たりなく色んなもの見るようにしていますね。ギャルの服とか見に行ってそこでギャルと友達になったりとか、ギャルはイケてますね。

 

■服作りをするときに、頼りになっている人、職人さんはいますか?

いつも一緒に作業している人が、27,8歳くらいで年も近くて、僕のデザインに対して意見くれたり、生地の提案してくれたり相談出来る人です。去年は服飾学校にも通っていたんで、自分で工事見つけて足を運んでいたんですけど、今は生産管理(OEM)もついて、環境が変わったと思います。変わったのは2015SSの時で、今DEPTがある、原宿のVACANTでFULL-BKのDARUMAさんとHECTICのAkeemさん合同展示会をしたんですけど、あのときめちゃめちゃ交遊が増えて、プレス会社の人が「うちで展示会しなよ」って僕のこと誘ってくれて、そこでBEAMSとかアローズのバイヤーさん150人くらいと名刺交換して、その中でメールくれたのが今の生産管理の会社でした。そのときまだ10代でめちゃめちゃビビっていました。でも最初は一人で色んな会社回って話を聞いていましたね。

 

■今後どうしたいですか?

来年か再来年には東コレやって、これは絶対で、それから3年くらいしたらNYでコレクションやって直営店を原宿と青山の間辺りに出したいです。あとは今しているアーティストへの衣装提供をもっとしたいですね。あとは、飲み屋。服見ながらお酒飲める溜まり場みたいな場所をつくりたいです。そして今、同世代でブランドを立ち上げているヤツが少ないし、僕自身一応、周りから見られている・期待されていると感じているので、もっと頑張って僕ら世代を引っ張って行くような存在になりたいです。みんな本当はデザイナーになる夢だけでなく、お店出したいとか様々なジャンルで、やりたい事があるのに何かしらの理由でやらないじゃないですか、僕は色んな人にやりたい事の手助けを貰ったから少し上からな言い方かもしれないけど、そう言う人をピックして、手助けをしたいです。

 

■今の世代は物足りないと感じますか?

うん。お金にならないかもしれないけど活動をもっとして下の世代に憧れられるようなもっと存在がでてこないとファッション業界は面白くないと思う。音楽系とかはそういう存在の人がいるのにどうしてかなって。ファッションが好きで服飾学校通って卒業して、大体25歳くらいでファッション辞めちゃう人も多い業界だと思うけど、ファッション好きでしているはずなのにファッションで妥協してどうするねん。と思うし、社会的地位だとまだファッションは低いと思うから、もっと年取ってから胸張ってファッションについて自分の思いを言えるようしたいですね、

 

■2016SS展示会について教えてください。

今回、表テーマ裏テーマがあります。表テーマではUK系のヒップホップカルチャーと70,80年代パンク要素が入った反骨精神のある不安定な少年がテーマで、洋服以外のところで、音楽カルチャーから多くのインスパイアを受けました。それがどのアーティストかは展示会に来てからのお楽しみです。裏テーマは、実在している、ロンドン在住の一般の高校生の男の子です。分かりやすく言うと、勉強できて、シャツも一番上までボタン留めてネクタイもきちんと着けているのに裏でちょー悪いことしているヤツ。彼はそういう感じがすごい滲み出ていてSNSで見つけて一目惚れをしてメッセージを送りました。だから、その子が着ている服をオマージュとして服作りしました。今Instagramで彼の写真を少しずつ貼って、みんなに根付かせています。そしたら展示会きた時にこれか!って発見してもらえると思います。

 

 

 

 

 

 

「TTT_MSW 2016SS」展示会予定
会期:10月24日〜30日
開催場所:RID Gallery
東京都渋谷区神宮前3-15-8 106

 

 

http://tttmsw.tumblr.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

September 26,2015

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