QUOTATION

イラストレーター、Adrian Hoganインタビュー

text & photo : Emi Kaneda 

 

雑誌『POPEYE』や『Tarzan』を中心にイラストレーターとして活躍するオーストラリア出身の Adrian Hogan(エイドリアン ホーガン)。最近では、コーヒー紙コップの展覧会を開くなどイラストレーションを通して、表現活動の場を広げている。彼のイラストレーションへの考えや想いから、イラストレーターとして活動するために必要なことまで、様々な話を聞かせてもらった。

 

 

▪️日本でイラストレーターとして活動するようになったきっかけは何ですか。どのよう経緯で仕事をするようになったのですか。

日本に来る前はまだフルタイムでイラストの仕事ができてないという焦りがありました。時間的にも、ひとつのことに集中してやりたいと思い始めました。いろいろなことをするならオーストラリアにいる方がいいと思っていました。だから、日本にくるからには、絶対イラストレーターとして活動するという強い決意がありました。

はじめは、デザイン系のオーストラリアの友達に仕事を紹介してもらったりしました。あとは、偶然な出会いです。ある日、渋谷駅のホームで、電車を待っている人の似顔絵を描いていました。その人が気づいて、電車にのったときに、「見せてもらってもいいですか。」と声をかけてきました。それで、僕の描いた絵に感動して、名刺を渡してくれました。その人はファッション会社のPR担当の人で、後日、VOGUE FASHION NIGHTでお客さんの似顔絵を描いてほしいとお願いされました。あるときは、立ち飲み屋で絵を描いていて、CMの絵コンテとかもお願いされたり、本当に偶然な出会いから仕事につながりました。

日本に来てから、最初の6ヶ月間は、いろいろなイベントにいったり、友達をつくるために毎日外に出かけていました。イラストレーターとして活動するなら、一番大切なのことは、自分のやりたいことをみんなに見せることだと思います。それが、仕事につながるきっかけになると思います。

 

▪️影響を受けた好きなアーティストさんはいらっしゃいますか。

会田誠さん、奈良美智さんや丸尾末広さんです。

 

▪️どのような点で影響を受けたのですか。

自分の作風に影響受けたというよりは、日本のドローイングは技術面だけでなく、背景にある意味も両方表現されていてすごいと思いました。自分の表現の可能性を広げてくれました。彼らの作品を通して、どんな表現でもできるし、リミットがないと思えるようになりました。今でもそれは影響を受け続けています。

 

▪️作風が、手書きのスタイルが多いいように感じたのですが、どのようなところが好きですか。

手描きの絵にはその人の内面や性格が出るから面白いです。実際に、ドローイングを見てからその人に会うと、絵と性格は似てると思うことが多いです。ラフな感じで、完璧じゃないけど、情熱的だなとか、丁寧で優しいとか。手描きはすごく個性が出るものだから、それが作品のオリジナリティーにもなると思います。

 

▪️表現したいものや、挑戦していきたいことなどありますか。

僕自身が、日常的なものを描いたら、みんながその絵をきっかけにつながりをもつことができると思うようになりました。ひとつの取り組みとして、コーヒー紙コップに絵を描いています。今ちょうど、中目黒でその展覧会をやっていますが、コーヒー紙コップはみんなが使うし、それに絵を描いたら、人々はそれを見ると思います。一人一人考えたり、何かその先にストーリーを連想させることができ、楽しむこともできます。僕の絵をきっかけに自分自身や他の人とのつながるきっかけになれたらいいなと思っています。

これからも、自分が伝えたいことを展覧会などを通して表現していきたいと思っています。アニメーション作ったり、自分が作った物語とか、色々なところで表現していきたいです。ひとつひとつのアイデアを実現できるように頑張ります。

 

▪️イラストレーターとして活動するために必要なことは何ですか。

よく、イラストレーターは楽しそうな仕事、毎日絵を描いていて、いいなと言われますが、実際には、大変なことも多いです。時間的に、描くのは30パーセント 、残りの70パーセントは仕事を探したり、プロモーション、交渉が必要です。本当にやりたくないことだったら、できる人に頼んでもいいと思っています。

僕はあまり、交渉もビジネスらしくないです。それよりも、もっと人とのつながりを大切にしています。ちゃんと、イラストレーションの仕事を相手に理解してもらわなければなりません。だから、どうやってイラストをつくるか、そのプロセスや自分の働き方をきちんと説明します。イラストレーターの中には、自分自身の価値についてわからず、条件が悪くても引き受けてしまうこともあると思います。自分の生活のためにも、はっきりと自分の思っていることや、仕事について話すべきだと思います。自分自身をリスペクトして、相手もリスペクトする、そんな関係を築くことが何より大切だと思います。

 

 

 

9月4日まで中目黒で、紙コップドローイング展『Drawing To Go』を開催中。
日常の見過ごされてしまうような瞬間を切り取り、紙コップをキャンバスに描く胸ときめくパノラマ作品が次々と生まれてくる。目に見えるものと作者をとりまく空間との関係や、日常に潜むきらめきを探した作品集。作品は、インスタグラムでも公開中。

 

Drawing To Go
~Drawings on Paper Cups by Mariya Suzuki and Adrian Hogan~

会期:2015/08/21~2015/09/04
Open (火~日)14:00~20:00
Closing party 2015/09/04 18:00~22:00
開催場所:Gallery JIB
東京都目黒区青葉台2-20-3 小谷野ビル403
03-6452-3762

 

 

プロフィール:
Adrian Hogan(エイドリアン ホーガン)
Aesop、Comptoir des Cotonniers、Red Bull、日本テレビなどの企業、『Popeye』や『Elle』などの雑誌をクライアントに持ち、作品はNHKの『投稿Do画』やcnn.co.jpでも紹介されている。

 

 

 

 

 

 

 

September 3,2015

Adrian Hoganが描いたイラスト(雑誌『POPEYE』No.820より)

スタジオのバルコニーにて

紙コップにイラストを描くAdrian Hogan

現在開催中の展覧会紙コップドローイング展『Drawing To Go』風景

展覧会『Drawing To Go』の共同主催者 Mariya Suzuki さんとツーショット