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空山基による新作個展“Sorayama Explosion”

text, photo : daiki tajiri

©Hajime Sorayama Courtesy of the artist and NANZUKA

 

東京・渋谷にあるコンテンポラリーアートに特化したギャラリー、NANZUKAにて7月7日(土)より8月11日(土)まで、日本を代表するイラストレーター、アーティストである空山基による新作個展「Sorayama Explosion」が開催されている。

 

雑居ビルが並ぶ渋谷の一角、重い扉を開け、アンダーグラウンド感じる黒く染められた階段を地下へ降りると、対照的な白く洗礼された空間に未来感漂う美しいロボットが並ぶ。

 

空山基は独学で培った驚異的な写実力を武器に、1999年のソニーが開発したエンターテイメントロボット「AIBO」のコンセプトデザインや、2001年にリリースしたエアロスミスのアルバム「Just Push Play」のジャケットを手掛けたことにより注目を集め、その後もKAWSやStussy、medicom toyなど様々な媒体や他のアーティストとのタイアップ、コラボレーションなどの傍ら、森美術館、ニューヨークのユダヤ博物館やラリー・ガゴシアンとジェフリー・ダイチによるアートフェア「DISIRE」など、世界各国で新作を発表し続けている。

 

「SEXY ROBOT」シリーズをはじめ、人体と機械をミックスし双方の美しさを確立。写実表現技法のゴットファーザーとまで言われ、世界中にファンを持つ空山基の作品群は、作品から感じられる彼自身のクリエイティブに対する愛故のモチーフの造形に対する徹底的な追求により、鑑賞する我々を魅了する。

 

彼の作品の中には繊細なエアブラシ技法の他にも、制作の上での着眼点として、美しさに同居したエロティシズムへのこだわりも鑑賞していて目に止まる。人が持つ性的本能をくすぐるように様々なポージングをとる女性型ロボットは、彼と並行して現代ポップカルチャーアートを担う他のアーティストらの作品にも共通点がみえる。

 

無彩で独特な構造のNANZUKAの空間に並ぶ今展覧会の新作群には、ヒューマンスケールサイズの彫刻作品をはじめ、共産主義をイメージさせる鎌と槌と描かれるセクシーロボット、それとも通じるSF映画の金字塔とされる「メトロポリス」にトリビュートしたペインティングなど、タブーをスキルと知恵で美化するような一貫したスタイルを感じさせる。

 

大衆でのアートの商業化が進み、エモーショナルを重視する抽象化された括弧付きだが価値あるアートが優先的に評価されやすくなった現代。そんな中、今展覧会にて彼の必要以上なまでの写実的表現をみると、不思議と誰もが持ったことがあるであろう、何かを自らの手で作り出すことへの「楽しさ」や「面白さ」を純粋に感じることができる。

 

現代社会におけるテクノロジーの発展、生物が持つ衝動的な本能への抑圧、ジェンダー問題などをからかうような、世界的に注目されるアーティスト空山基によって生み出される、劇的で美しいディストピアの世界を体感しに、足を運んでみてはいかがだろうか。

 

 

 

 

 

 

■ 展覧会インフォメーション

空山基“Sorayama Explosion”
2018年7月7日(土)- 8月11日(土)
会場:NANZUKA
東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
営業時間: 11:00 – 19:00(日・月・祝祭日定休)
入館料:無料
HP: http://www.nug.jp/jp/exhibition/2018hajimeSorayama.html

 

 

 

 

 

 

July 23,2018