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BESSO「ネオスピ-Neo Spiritual-」レポート

text, photo : daiki tajiri

 

時には具体的なモノに、また時には精神的な状態に、我々は自身の理想や興味をもとに生まれた事実的性質とはかけ離れた感覚を持つ。4月20日(土)から5月20日(日)まで、東京・原宿にあるDeus Ex Machina Harajukuにて開催されている、アーティストグループBESSOの個展「ネオスピ-Neo Spiritual-」には、そのような我々が時たま持つ感覚を掻き立てる対象が、空間として捧げられている。

 

「ドアさえあれば、僕たちはどこでも展示できる」をコンセプトに活動を行う3人の若手現代アーティストにより構成されるBESS0は2014年に結成してから、文字通りドアを片手に、あえて人が踏み入らない場所や、普段展示する場として選択されないような所で、展覧会やパフォーマンスを行いグループのホームページにて発表をしてきた。

 

彼らの作品を鑑賞すると、メンバーひとりひとりの作品が独立しているというよりも、それらが要素となり、ひとつの作品を作り出していると言う表現のほうがふさわしいのではないかと感じる。パブリックスペースでの開催が初となる今展覧会でも、それを感じることができる。各々のスタイルを活かしつつも、テーマに沿った独自の世界観で我々を迎えてくれる。

 

彼らの提案する新しいスピリチュアルのかたち「Neo Spiritual」をテーマにした今展覧会では、3人のアーティストによる作品が交差するかのように展示されている。セラミックや金属を用いて「生と死」をテーマに制作を行う山田耕太郎は政治や文化、宗教に用いられる象徴的なアイコンをモチーフにした作品を展示している。写真作品を中心に、風船や詩を用いたインスタレーションを制作するJo Motoyoは「ロンリネス」のイメージをベースに写真作品の上より詩を綴り、新鮮なビジュアルを生み出している。海の生き物を細かいディテールまで写実的に制作する入山きららは、プロダクト要素も含むグラフィックを立体化したかのようなオブジェを空間に散りばめている。

 

また、今展覧会は多様なカルチャーをクロスオーバーし続けるDeus Ex Machinaらしい展示でもあり、それぞれ異なる要素のベクトルが同じ展示空間を指すことにより生まれる新しいビジュアルは、括られることの無いオリジナルな空間を作り出し、それは、展示会場にあるシェイプルームを使用したインスタレーション作品にも垣間見える。全員の作品と植物が絡み合ったまるで温室のような閉鎖空間はBESSOというグループが常に成長し続けているとうことにも解釈できる。

 

芸術を鑑賞するにあたって、我々は自身にとって美しいと思えるものを見出し、それを思考や価値観の形成要素として留める。それは、本来の宗教的性格を持った「スピリチュアル」という意味合いにも紙一重で近い感覚なのかもしれない。しかし、芸術には本来の意味合いとは異なり、作り手のイメージやメッセージが存在し、それらは鑑賞者である我々に捧げられる。そんな、目には見えない感覚と表現の輪廻はその場をピースフルな空間にするのではないだろうか。

 

今回実際に足を運び、現代アートというジャンルにとどまることのない、インテリアや建築にも通ずる、イマジネーションによって洗礼された空間を体感することによって、その新しい可能性とグループでひとつのものを生み出すことで完成される美しい多様性を感じることができた。

 

 

 

■BESSO
「ドアさえあれば、僕たちはどこでも展示できる」をコンセプトに活動するアーティストグループ
HP:https://www.besso.tv

メンバー
山田耕太郎(KOTARO YAMADA)Sculptor
生と死をテーマに、セラミックや金属を用いて彫刻作品を制作。主な展示に新宿高島屋美術画廊『〜そして広がる〜』など
HP:http://www.kotaroyamada.com

Jo Motoyo Photographer/Filmmaker
写真作品をベースに、風船や詩を用いたインスタレーションを制作。2017年に初個展を開催。主な展示に新宿伊勢丹『Re Style』など
HP:https://www.jomotoyo.com

入山きらら(KILALA IRIYAMA)Sculptor/Designer
海の生き物を彫刻作品にて制作。アート作品の他、空間を生かしたディスプレイデザインなどその活動は多岐に渡る。個展『way to castle』をGallery blankaにて開催。
HP:https://www.behance.net/kilala

 

 

 

■展覧会インフォメーション
BESSO「ネオスピ-Neo Spiritual-」
2018年4月20日(土)- 5月20日(日)
会場:Deus Ex Machina Harajuku
東京都渋谷区神宮前3-29-5
営業時間:
CAFE 1F&B1F 9:00am-8:00pm
BAR 1F&B1F 7:00pm-11:00pm(毎週金曜のみ)
アパレル 2F 11:30am-8:00pm
※展示会場はB1F
入館料:無料
HP:deuscustoms.com

 

 

 

 

 

 

May 13,2018